【EDH】1:3交換、初手1.5枚増
2015年12月16日 ◆【EDH】考察◆1:3交換の分析
まず、シンプルな2人戦の例から入ります。
【フェリダーの君主】を対象に【究極の価格】を撃つと、
【究極の価格】:【フェリダーの君主】
1枚:1枚
2マナ:6マナ
このような交換となり、アドバンテージはそのままに4マナ分のテンポを得ることになります。仮にこれを繰り返すことができれば、除去側は浮いたマナで別のアクションができるようになるため、有利にゲームを進めることができます。
4人戦だとどうなるでしょうか。
先ほどの例にもう2人の対戦相手を追加すると、
【究極の価格】:【フェリダーの君主】:【ー】:【ー】
1枚:1枚:0枚:0枚
2マナ:6マナ:0マナ:0マナ
これは「アドバンテージを維持している」「テンポを得ている」と言ってよいでしょうか。色々な見方がありますが少なくとも、先ほどのように「繰り返すと有利になっていく」とは言えませんね。左からA,B,C,Dプレイヤーとして、AがBCDに対して順に同様の交換を合計n回行ったとすると、
A:B:C:D
n枚:n/3枚:n/3枚:n/3枚
2nマナ:2nマナ:2nマナ:2nマナ
(BCDの2nは、6n/3を計算したものです)
このように、1順する(n=3)ごとにAは他のプレイヤーに対してアドバンテージを1枚ずつ失っていきます。対戦相手の人数が3倍であるため、呪文で数えて1:1交換では対戦相手のうち1人との対等な交換にしかならず、3人との対等な交換にならないということですね。1:3交換ができてようやくドッコイドッコイになります。
また、仮にアドバンテージ面で1:3交換が取れる呪文があったとしても(そうなればアドバンテージとテンポの両面で4人対等な交換になるようにも見えますが)、アドバンテージやテンポのロスをBCDにうまく割り振ることができなければ、BCDのうちでAに対して有利に交換をする/しない者が現れてAは2位になります。
例えば、2マナで【忌むべきもののかがり火】を、その後のほうのターンで【電謀】を、B,Cのクリーチャーを破壊するために撃ち、【闇の腹心】2枚【ティタニアの僧侶】2枚【花を手入れするもの】2枚の合計6枚を破壊したとすると、
A:B:C:D
2枚:3枚:3枚:0枚
4マナ:6マナ:6マナ:0マナ
アドバンテージ面でもテンポ面でも1:3交換はできていることになります(2:3+3)(4:6+6)。しかし結果は、Dが大きく1位に近づき、Aは現状2位になります。これがAを1位から遠ざけているか、近づけているかと聞かれれば微妙なところです。
1位決定戦のルールでは1位になりにくくなるようであれば、それが2位になる動きであったとしてもしない方が良い。と言うと、1位を決める勝負なのだからこれは何も言っていないのと同じですね。除去を撃つのは、それが1位になるため貢献する見込みがあるからこそデッキに仕込んでプレイするということです。1:3交換はその見込みを測る上で多少役に立つかもしれない、という程度の目安にすぎません。
実際の対戦では、対戦相手のうちに土地事故したプレイヤーがいるなど、大きく有利不利の分かれていることも少なくありません。先ほどの例でDが事故っているならばBCにこの交換を仕掛けることでAが1位になることができるので、明らかにやる価値があります。対戦相手が平らになるように削る、つまり1位を邪魔する動きが強いと言えます。
*コンボは最終目的にとても近い行動なので、1つの呪文の価値がものすごく高くなり、アドバンテージの考え方とは縁遠いものになります。今回の内容は序盤〜中盤のフェアなやり取りにおいて役立てようとするものです。
*呪われたトーテム像のように特定の相手に強くあたるカードや、森の知恵のようにそもそもカードパワーが高いカード、すでに役目を果たしている闇の腹心、ラノワールのエルフ等のマナクリ、ハーミットのように1枚のカードに注力するタイプなど、カードの価値は様々なので、マナコストと枚数だけで考えないように気をつける必要があります。
以上のことをまとめます。
4人戦において2人戦の1:1交換に相当するのは1:3交換です。自然の要求でテンポを稼ぐには3マナの置物を破壊する必要がありますが、帰化の場合は6マナの置物を破壊する必要があります。これはひとつの側面でしかありませんが、自分の1マナには相手の3マナに相当する価値があることは覚えておいて損はないでしょう。
◆初手枚数が普通より1.5枚多い
スタンダードの初期手札枚数は7枚ですが、後手のファーストドローまで考えると、それは1/2の確率で手札に加わるため、初期手札枚数は7.5枚であるという言い方ができます。
EDHでは、ファーストドローが全プレイヤーにあるため8枚。それに統率者を合わせて9枚ということになります。
9 − 7.5 = 1.5
強力なマリガンルールが採用されているため、実際はもう少し小さな差に収まると考えられますが、マリガンをしなかった場合に1.5枚という大きな枚数差になるということは特筆に値します。
こういった理由で、他のフォーマットと比べてEDHは初手の枚数が多く、しかもそのうち1枚は伝説のクリーチャー呪文です。このことから、EDHは他のフォーマットよりもスクリューする(手札を消化しにくい)傾向にあることが分かります。
EDHでテンポが重要視される理由は、こういったところからも察することができます。他のフォーマットで蓄えた経験をEDHへ応用する際に、その経験を1:3交換、初手1.5枚増というフィルターに通してから持ち込むことによって、より正確に環境把握を進められると考えています。
まず、シンプルな2人戦の例から入ります。
【フェリダーの君主】を対象に【究極の価格】を撃つと、
【究極の価格】:【フェリダーの君主】
1枚:1枚
2マナ:6マナ
このような交換となり、アドバンテージはそのままに4マナ分のテンポを得ることになります。仮にこれを繰り返すことができれば、除去側は浮いたマナで別のアクションができるようになるため、有利にゲームを進めることができます。
4人戦だとどうなるでしょうか。
先ほどの例にもう2人の対戦相手を追加すると、
【究極の価格】:【フェリダーの君主】:【ー】:【ー】
1枚:1枚:0枚:0枚
2マナ:6マナ:0マナ:0マナ
これは「アドバンテージを維持している」「テンポを得ている」と言ってよいでしょうか。色々な見方がありますが少なくとも、先ほどのように「繰り返すと有利になっていく」とは言えませんね。左からA,B,C,Dプレイヤーとして、AがBCDに対して順に同様の交換を合計n回行ったとすると、
A:B:C:D
n枚:n/3枚:n/3枚:n/3枚
2nマナ:2nマナ:2nマナ:2nマナ
(BCDの2nは、6n/3を計算したものです)
このように、1順する(n=3)ごとにAは他のプレイヤーに対してアドバンテージを1枚ずつ失っていきます。対戦相手の人数が3倍であるため、呪文で数えて1:1交換では対戦相手のうち1人との対等な交換にしかならず、3人との対等な交換にならないということですね。1:3交換ができてようやくドッコイドッコイになります。
また、仮にアドバンテージ面で1:3交換が取れる呪文があったとしても(そうなればアドバンテージとテンポの両面で4人対等な交換になるようにも見えますが)、アドバンテージやテンポのロスをBCDにうまく割り振ることができなければ、BCDのうちでAに対して有利に交換をする/しない者が現れてAは2位になります。
例えば、2マナで【忌むべきもののかがり火】を、その後のほうのターンで【電謀】を、B,Cのクリーチャーを破壊するために撃ち、【闇の腹心】2枚【ティタニアの僧侶】2枚【花を手入れするもの】2枚の合計6枚を破壊したとすると、
A:B:C:D
2枚:3枚:3枚:0枚
4マナ:6マナ:6マナ:0マナ
アドバンテージ面でもテンポ面でも1:3交換はできていることになります(2:3+3)(4:6+6)。しかし結果は、Dが大きく1位に近づき、Aは現状2位になります。これがAを1位から遠ざけているか、近づけているかと聞かれれば微妙なところです。
1位決定戦のルールでは1位になりにくくなるようであれば、それが2位になる動きであったとしてもしない方が良い。と言うと、1位を決める勝負なのだからこれは何も言っていないのと同じですね。除去を撃つのは、それが1位になるため貢献する見込みがあるからこそデッキに仕込んでプレイするということです。1:3交換はその見込みを測る上で多少役に立つかもしれない、という程度の目安にすぎません。
実際の対戦では、対戦相手のうちに土地事故したプレイヤーがいるなど、大きく有利不利の分かれていることも少なくありません。先ほどの例でDが事故っているならばBCにこの交換を仕掛けることでAが1位になることができるので、明らかにやる価値があります。対戦相手が平らになるように削る、つまり1位を邪魔する動きが強いと言えます。
*コンボは最終目的にとても近い行動なので、1つの呪文の価値がものすごく高くなり、アドバンテージの考え方とは縁遠いものになります。今回の内容は序盤〜中盤のフェアなやり取りにおいて役立てようとするものです。
*呪われたトーテム像のように特定の相手に強くあたるカードや、森の知恵のようにそもそもカードパワーが高いカード、すでに役目を果たしている闇の腹心、ラノワールのエルフ等のマナクリ、ハーミットのように1枚のカードに注力するタイプなど、カードの価値は様々なので、マナコストと枚数だけで考えないように気をつける必要があります。
以上のことをまとめます。
4人戦において2人戦の1:1交換に相当するのは1:3交換です。自然の要求でテンポを稼ぐには3マナの置物を破壊する必要がありますが、帰化の場合は6マナの置物を破壊する必要があります。これはひとつの側面でしかありませんが、自分の1マナには相手の3マナに相当する価値があることは覚えておいて損はないでしょう。
◆初手枚数が普通より1.5枚多い
スタンダードの初期手札枚数は7枚ですが、後手のファーストドローまで考えると、それは1/2の確率で手札に加わるため、初期手札枚数は7.5枚であるという言い方ができます。
EDHでは、ファーストドローが全プレイヤーにあるため8枚。それに統率者を合わせて9枚ということになります。
9 − 7.5 = 1.5
強力なマリガンルールが採用されているため、実際はもう少し小さな差に収まると考えられますが、マリガンをしなかった場合に1.5枚という大きな枚数差になるということは特筆に値します。
こういった理由で、他のフォーマットと比べてEDHは初手の枚数が多く、しかもそのうち1枚は伝説のクリーチャー呪文です。このことから、EDHは他のフォーマットよりもスクリューする(手札を消化しにくい)傾向にあることが分かります。
EDHでテンポが重要視される理由は、こういったところからも察することができます。他のフォーマットで蓄えた経験をEDHへ応用する際に、その経験を1:3交換、初手1.5枚増というフィルターに通してから持ち込むことによって、より正確に環境把握を進められると考えています。
コメント