ずっと前にこの記事を書いて、具体例があったほうがいいと思って最近になって上の問題を作りました。この記事からですます調でなくなっているのは、この記事を考察として書き始めたからです。

EDHで「フィニッシャー」「コンボ」「ルート」「勝ち筋」「勝ち手段」の言葉は色んな意味で使われる。今回はその中の一部を取り上げて「決まり手」として考察する。

イメージは相撲の決まり手である。

◆決まり手とは?
「決まり手」の定義を一言で言えば「無くなったら詰むカード」だ。そこを「勝利条件カード」と言い換えても大間違いにはならないが、そうすると【玄武岩のモノリス+ブライトハースの指輪+ゴブリンの大砲】のような場合どう考えればいいのか分からなくなる。「やった!決まり手が3つもあるぞ!」ということでは当然ない。決まり手は以下のように定義する。

・決まり手の定義
そのデッキがどうやっても勝てなくなるように最少枚数でデッキからカードを抜くとき、その中に含まれるカード

・決まり手のセット
「これら何枚かのうちどれを抜いても上記の条件を満たす」という選択になった場合、それらをセットにして1つの決まり手として数える

例えば【汚れた契約、デモコン、偏執狂、ウーズ、おにぎり、トリスケリオン】の決まり手は【偏執狂】と【ウーズ、おにぎり、トリスケ】である。

デモコンという代わりがある汚れた契約は、無くなって詰むカードではなく、決まり手ではない。ウーズコンボはどのパーツも代えが利かないから3枚とも決まり手だが、1枚追放されると同時に残り2枚も駄目になるので、3枚合わせても仕掛けられるコンボの回数は1回である。そのため、数えるときは3枚合わせて1つの決まり手として数える。

決まり手がどれなのか、決まり手の数がいくつなのかを知れば、そのデッキが詰んでしまう状況を調べるのに役立つ。決まり手は厚いに越したことはないが、コンボ時以外に弱いカードが多いので、デッキに入れすぎないように注意が必要である。

◆決まり手がなくなる原因
追放するものでいえば、汚れた契約、デモコン、墓地対策、ソープロ、パス、遅延。(他にもあるだろうか?)かなり少ないと見ていいだろう。墓地回収や打ち消しも使えることを考えれば、決まり手は2つあれば不足することはないし、1つで済むデッキもある。

3つ目の決まり手を入れるのではなく、その枠を使って2つの決まり手をサポートした方がよさそうだ。

◆決まり手はよく過大評価されている
決まり手のカードは、引いた場合の弱さが見過ごされがちだ。ゴブリンの大砲、パーフォロス、瀉血、トリスケリオンなどは「仕方なく」入れるカードだ。仕方ない理由がなければ入れてはならないし、できることなら工夫して減らしていくカードだ。

例えば、バサルトブライトのあとゴブリンの大砲をサーチする代わりに独楽をサーチして、無限ドローを経由して偏執狂で勝利する。大砲をサーチできるカードは独楽もサーチできるので、大砲がサーチ先にある必要はない。

いうまでもなく無限マナはかなり強い状態だ。そのあとのために専用カードを入れるのは間違っている。とくに有色無限マナ。有色無限マナが出たとき「これを持っていれば勝てる」という呪文を調べてみよう。

①無限マナを出す過程に引っかかる誘発型能力(主にcast cip pig)
②マナシンク(タップ不要の起動型能力、X呪文、バイバックなど)
③サーチ呪文
④上記を引くためのドロー呪文
※他にもある(サクリ台、ストーム、墓地回収など)

①、②の一部が決まり手だが、最初からそれを持っている必要はない。いつ使っても弱い傾向のある②は枚数を抑えるべきだ。④を使って③を引き、少数の①②をサーチすることを目指す。無限マナが出た後の勝ち方は工夫の見せ所だ。

◆まとめ
第1に、決まり手でないカードを決まり手であると勘違いしないことが大事だ。タシグルの無限マナは白鳥の歌と有毒の蘇生で勝てるし、セルヴァラの無限ドローは道三とRegrowthと有毒の蘇生で勝てる。上記のカードが入っているなら天才のひらめきや旧コジレックは決まり手ではない。

第2に、決まり手を入れすぎないことが大事だ。限られた状況でのみ強いのだから、シルバーバレットのように考えよう。決まり手としての評価枠はデッキにつき1つか2つまでだ。3つ目の決まり手は3番目の強さだからあまりサーチされないし、2つで十分詰まないから詰み防止にもならない。3つ目の決まり手も確かに決まり手ではあるが、だからといってプラス評価にはならないということだ。

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